2018年12月時点で、日本には約6000人のVtuberが確認されています。
しかし、その中の約5000人がチャンネル登録者数999人以下で、既に動画の更新が止まっている方も数百人近くいらっしゃいます。
本当は6000人すべてを勢力図にしようと考えたのですが、500位を下回ってくるあたりでほとんど個人勢になったため、省略させていただきます。
2018年も終わりとのことで、2019年向けに分かりやすくVTuberの勢力図を作ってみました!
なお、Youtube登録者数2万人以上のVTuber約180人に限定しているためご了承ください。
VTuber勢力図【登録者2万人以上】
画面に限りがあったので、間隔が狭くて非常に見づらいと思いますが、登録者2万人以上のVtuberをすべてリストアップしています。(2018年12月時点)
VTuberの親分である「キズナアイ」を起点として、その周りを4人の四天王が囲んでいます。
さらにそこから派生するかのように、UPD8、ENTUM、.LIVE、個人勢と、それぞれの勢力が誕生しています。
どこにも線が結ばれていないVtuberは、GREEやDMM、ソニーや中京テレビなどのその他企業、もしくは個人勢や企業勢などの確認が取れていない方たちです。
それでは拡大画像を用いて、1つずつ勢力を確認していきましょう。
Vtuber四天王
VTuberの勢力を語るために避けて通れないのが、VTuber四天王の存在です。
右上から時計回りに「ねこます」「電脳少女シロ」「輝夜月」「ミライアカリ」です。
ブームの起爆剤ともいえる彼女らを見た企業や個人が、新たにVtuber業界に参入しているケースが多いです。そのため、今日にいたるまでVtuberが増えた背景には、彼女ら四天王の活躍があります。
そしてキズナアイを含めた5人のうち、輝夜月を除く4人を起点とした勢力がそれぞれ誕生しています。
UPD8勢(キズナアイ系)
キズナアイをプロデュースしているActiv8株式会社は、UPD8(アップデート)というVtuber支援プロジェクトを行っています。
いわゆるVtuber事務所のようなもので、メンバーを見てみると、元々は個人で活動していたVtuberが多く在籍しています。(のらきゃっと、ふくやマスター等)
運営しているActiv8株式会社に属しているキズナアイは、当然ながらUPD8に参加しています。
Youtube登録者数2万人を超えているVtuberは17名と、にじさんじの次ぐ勢力を誇っています。
ENTUM勢(ミライアカリ系)
株式会社DUOが運営するVtuber事務所「ENTUM(エンタム)」にはミライアカリを主軸とした12名が在籍しています。私の主観ですが、1人1人の質を求めているような、少数精鋭のような運営の仕方をしていますね。
その中で登録者数2万人を超えているのは半分の6名で、中でも「猫宮ひなた」は登録者42万人、Vtuberランキングで5位に位置しています。つまり四天王を除くと、現在最も人気のあるVtuberということになります。
.LIVE(電脳少女シロ系)
電脳少女シロをプロデュースした企業である「株式会社アップルランド」は比較的Vtuber業界への参入が早かったことで知られています。
他の有名Vtuberが2017年10~12月にデビューしているのに対して、電脳少女シロは2017年7月にデビューをしています。
その株式会社アップルランドが運営するプロダクション「.LIVE」には14名のVtuberが在籍していますが、驚くことになんと14名全員が、チャンネル登録者数2万を達成しています…
他のVtuber事務所と比較していただければ分かる通り、たいてい所属Vtuberにはムラがあり、10万人を超えている方もいれば、4桁の方もいます。
それなのに、所属Vtuberに格差がなくファンを獲得できているのは、.LIVEの運営力が凄まじいからでしょう。(動画を見た感じ、所属Vtuber同士のコラボ動画を増やし、それぞれのファンを重複させる戦略をとっていますね。)
ただ、UPD8の「田中ヒメ&鈴木ヒナ」、「YuNi」、ENTUMの「猫宮ひなた」のように10万人を超える突き抜けた存在がいないというのが.LIVE勢力の弱点ともいえるでしょう。
個人勢(ねこます系)
バーチャルのじゃろり狐娘Youtubeおじさんこと「ねこます」さんは、Vtuber個人勢の走りでもあります。
2017年当時のVtuberは、ほとんどバックに企業がついており、個人勢というと「みゅみゅ」さんくらいしか目立っていませんでした。
そんな中、2017年11月に個人勢として「ねこます」さんがVtuberデビューを果たし、知名度がぐんと上がると、1人でもVTuberになれるという認識が広がっていきました。
また、ねこますさんは「バーチャルYoutuberになるには」というレクチャー動画もアップしており、
個人でVtuberを始めたい方に対して積極的な姿勢をとっています。
その結果3~4か月後に、一気にVtuber個人勢が増えて、今では5000人を超えるVtuber個人勢が誕生しています。
よってVtuber界隈で一番数が多い勢力が「個人」ということになりますが、まあ当たり前でしょう。
しかし、キャラクターの見た目や声優の質に関しては、企業勢のほうが圧倒的に上をいっています。
そのため個人勢として生き残るためには「トークの上手さ」「個性的である」というのが最低条件になります。勢力図を見ていただければ分かる通り、「田中のおっさん」「バーチャルおばあちゃん」など容姿に癖がある方が目立ちます。
「にじさんじグループ」
Vtuberにあまり詳しくない方でも「にじさんじ」の存在は結構知られていますよね…
キズナアイやミライアカリなどの3Dモデルは使用しておらず、キャラクターの可愛さが伝わりやすい2Dモデルを使用しています。
2018年2月8日に一期生として8名がデビューをしましたが、その中でも「月ノ美兎」さんは、委員長という愛称でVtuberファンの間で話題になり、現在28万人のチャンネル登録者数を獲得しています。(Vtuberランキング7位)
その他にも一期生には、Vtuberランキング15位の静凛さん、20位の樋口楓さんがおり、数字だけみても非常に優秀なVtuberが揃っています。
さらに約1か月後には二期生として「鈴鹿詩子」さん「物述有栖」さんなどといった有名Vtuberを誕生させています。
にじさんじもやはり、所属Vtuber同士でのコラボを増やすことで、それぞれのファンを共有するという戦略をとっており、どちらかというとファンとの交流を深めるために、生放送に力を入れていますね。
Vtuber業界では既に「にじさんじ」というブランドが確立されており、オーディションが開催されるとその倍率が凄まじいということを聞いております。
にじさんじゲーマーズ
にじさんじの主要メンバーの動画を見ていただければ分かる通り、「会話」「ラジオ」のジャンルに力を入れています。
ゲームジャンルにも力を入れようと思ったのか、2018年5月に、にじさんじによるゲーム実況特化Vtuber(叶、赤羽葉子)がデビューしました。
そして2018年12月に至るまで9名のVtuberがデビューを果たし、全員が2万登録者数を達成しています。(笹木咲さんが11月に卒業したので8名)
一般的にゲーム実況は、伸びる人と伸びない人の差が激しいジャンルなので、9名全員が達成しているのは素直に驚きです。
にじさんじのブランド力と中の人のトーク力は、さすがとしか言いようがありませんね…
にじさんじSEEDs
にじさんじは2018年6月から新たに「にじさんじSEEDs」というグループを発足しました。
プロ野球でいうと育成枠、AKB48でいうと研究生のようなもので、にじさんじグループへのチャレンジ枠として作られました。
といっても既に2万人登録を超えているVtuberは10名もおり、中でもシスタークレアは約6万人ものファンを獲得しています。
既に本家の「にじさんじ」メンバーの一部を超えており、本当にSEED(種)なのか…?と恐れおののいてしまいますね(笑)
さらに、2018年8月には2期生として7名、9月には3期生として5名がにじさんじSEEDsに加わっており、スパンの短い間に続々と数が増えています。
現在、にじさんじSEEDsだけで32名ものVtuberが所属していますが、この流れから行くと、にじさんじの勢力は、他勢力の追随を許さないほど拡大していくと思われます。
ホロライブ勢
株式会社カバーは元々「ときのそら」「ロボ子」の2名を専属Vtuberとしてプロデュースしていました。中でも「ときのそら」は2017年9月の時点で活動を開始しており、Vtuber四天王に負けないくらいの人気度を誇っています。
2018年6月からホロライブが本格的に組織化されるようになり、一期生、二期生を含めると合計12名が在籍しています
チャンネル登録者数20万人、Vtuberランキング11位のときのそらを筆頭に、43位の白上フブキ、63位のロボ子を擁しています。
組織化されたのが最近なので、勢力としてはにじさんじ、UPD8、.LIVEに見劣りしますが、ホロライブ開発強化のために2億円調達したそうなので、これからの伸びしろに期待です。
ゲーム部プロジェクト
ここ数か月で人気が急上昇している「ゲーム部プロジェクト」です。
夢咲楓、桜樹みりあ、道明寺晴翔、風見涼の4人の部員が、それぞれゲーム実況をしています。
名前の通り、ゲーム実況を中心として動画投稿をしていますが、4人を中心とした日常系の動画も投稿されており、こちらも人気のコンテンツとなっています。
ちなみに「道明寺ここあ」は、歌ってみた系のVtuberで、ゲームはしません。
ゲーム部とどういう関係があるの?って思われるかもしれませんが、道明寺晴翔の妹という設定です。そのため、日常系の動画にたまに出演することがあります。
ゲーム部プロジェクトの公式ページを見ても、新しいVtuberを募集していません。
ゲーム部は、他の事務所やグループとは違って、数を増やせば増やすほど利益になるタイプではないので、おそらく4人+1人の体制で続いていくと思われます。
いかんせん4人で1つのチャンネルなので、他勢力を数で勝ることは難しいですが、少数精鋭の模範として、これからも人気が続いていくことでしょう。
あにまーれ
有閑喫茶あにまーれというVtuberグループで、名前の通りアニマルをモチーフとしたキャラクターが5人います。
- 宇森ひなこ⇒コウモリ、
- 宗谷いちか⇒犬、
- 因幡はねる⇒うさぎ、
- 稲荷くろむ⇒狐、
- 日ノ隅らん⇒くま
2Dモデルを見た感じだと、にじさんじグループと錯覚してしまいがちですが、あくまで運営会社は別です。(にじさんじから制作協力を受けているので無関係ではありません)
また、あにまーれはUPD8に参加することが決定したため、独立した勢力からUPD8勢力へと変わります。チャンネル登録者数はそれぞれ「2~5万人」で、突き抜けたVtuberはいませんが、平均値が高く優秀な面々です。
グループの設定として、キャラクターを増やしやすいので、これから先、新人VTuberが追加される可能性は大いに考えられます。
海外勢
Vtuberの元祖ともいえるAmi Yamatoさんは2011年にYoutube活動を開始しています。
ロンドン在住の日本人とのことなので、海外勢と呼ぶべきかは疑問ですが、キャラクターの容姿は海外アニメっぽいですよね。
そのほかにも各言語に合わせたVtuberがそれぞれデビューしており、市場を独占している状態にあります。5名の海外Vtuberと言語を下記にまとめました。
- インドネシアのVtuber マヤ・プトゥリ
- 韓国のVtuber セア
- ロシアのVtuber 地球ちゃん
- 香港のVtuber 會計妹
- スペイン系のVtuber YadiDoll Zaotome
日本でVTuberが飽和しかけている今、海外言語でVtuberデビューするのは非常に賢いなあと思いました。
Vtuberの文化が海外でどのように捉えられているかによりますが、これから先どんどん増えていくことは間違いないでしょう。日本のVtuber数をあっという間に超えてしまうかもしれませんね♪
エイレーン一家
エイレーン一家というのは「アニメ娘エイレーン」に登場するキャラクターを集めたものです。
主要人物であるエイレーンは、もともと「ミライアカリ」のチャンネルで活動していました。(ミライアカリの過去動画を見ていただければ分かります。)
しかし、ミライアカリプロジェクトを立ち上げるとともに、エイレーン自身は裏方に回り、チャンネルを譲渡することになりました。ミライアカリのチャンネル登録者数は72万人いますが、エイレーンの視聴者が土台となっています。
メンバーであるヨメミは現在32万人登録者を保持しており、Vtuberランキング6位に君臨する強者です。彼女はミライアカリ同様にENTUMに所属していましたが、現在は卒業してフリーとして活動しています。
このエイレーン一家の勢力ですが、もともと登場キャラクターに即したVtuberをデビューさせているので、今後新人として増えることはなさそうです。
ハニーストラップ
ログを見ると少しだけ大人っぽさを感じるVtuberグループ「ハニーストラップ」は、悪魔が営む夜の喫茶店という設定です。
前述したあにまーれとは公式がライバル関係ということを認めており、同じくにじさんじから制作協力を受けています。
また、あにまーれ同様に、キズナアイが在籍している支援プロジェクト「UPD8」に参加することが決定しており、ますますUPD8とにじさんじの二極化に傾いています。
彼女らがデビューしたの2018年7月14日なので、わずか5か月で2万人登録を達成しています。
オーディションを勝ち抜いたのか分かりませんが、トークスキルも素晴らしくこれからますます伸びていくグループに違いないでしょう。
ぶいめん
Vtuber界のジャニーズ的な存在である「ぶいめん」は、男性Vtuberに特化したグループです。
現在6名のVtuberが所属しており、そのチャンネル登録者数はすべて2万人を超えています。
デビューしてからわずか3か月しか経っていないのに、ここまで伸びるのはさすがとしかいいようがありません。2018年12月時点でそれぞれの動画投稿数は平均で4~5個なので、伸びしろしか感じないですね…
どこの企業が運営しているのか不明ですが、これから先、男性イケメンVTuberのジャンルを牽引していくことは間違いなさそうです。
WFLE
最後は新興勢力のWFLE(Wright Flyer Live Entertainmen)です。
ニトロの人気キャラクター「すーぱーそに子」もWFLEに所属しています
また、チャンネル登録者数はまだ2万人を超えたばかりのリズ&リサですが、Youtube活動だけではなく、TOKYOMXで「VIRTUAL BUZZ TALK!」というVTuber番組の司会を務めており、今後伸びしろが期待できます。
2018年10月にWFLEは、ゲーム部プロジェクトを運営している株式会社バーチャルユーチューバーと業務提携をしました。中国の大手動画サイトbilibiliでの動画投稿も検討しているようです。
今のところ所属VTuberは5名しかいませんが、WFLEの親会社がグリーということもあり、強力な資本とバックアップを受けて、今後ますます勢力を伸ばしていくことは間違いないでしょう。
まとめ
それぞれの勢力を見て分かることは「にじさんじ」が突き抜けているという点です。
VTuber業界に投資するスピード感が凄まじく、他企業の追随を許さないほど勢力を拡大しています。
グリーやDMMなどの大手企業がその大きな資本を用いて、VTuber業界に参入することが決まっているので、個人Vtuberが淘汰されていく時代は近いのかもしれません。
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